フリーザ

彼女が好きなものはのフリーザのネタバレレビュー・内容・結末

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

同性愛を扱った恋愛もの。
最近このテーマの作品を沢山観ているがその中でもかなり良い方の作品。

同性愛者の男子とBL好きの腐女子のカップルという、危なっかしい設定ながら丁寧な作り。

個人的にMVPは小野でキャラクター云々もだけど作品としての彼の描き方もGood。
ちょいちょいなんでもない様な場面でも登場していることで後半の山場で「お前がしゃしゃんなよ」感が無かったのがいいし、更衣室論も分からんでもない。
ヒールとしての役割を担ったキャラクターだが、作品として彼へのフォローの仕方は良かったんじゃなかろうか。

同性愛ものであるから仕方ない部分はあるが同性愛者達の生き方や悩みにフォーカスし過ぎな感は否めず、同性愛者ではないサブキャラクター達が軒並み主人公に都合のいい脇役の域を出てこないのが惜しい。
また同性愛者である主人公目線のみで話が描かれる為、「同性愛者でなければ普通に結婚して普通に子どもが出来て普通に幸せに暮らせる」という幻想が常に見えているのが残念だった。どんなセクシャリティを持っていてもそれぞれに悩みはあるしそれぞれに幸不幸はあるだろうという気持ち。

誠さん、安藤、最後にゲイをカミングアウトしてきた後輩、自殺してしまった子、と年齢的にバラバラな同性愛者が描かれていたのが印象的。
安藤は誠さんに憧れていた部分(家庭を持ちつつ男と遊ぶ生き方)があり、実際の年齢は違っていたが安藤は自殺した子にも影響を受けていた。
逆に自殺した子は実際年上である安藤があそこまで悩んでいることを知り絶望したのかもしれない。
負の連鎖が多い印象だが、安藤の姿を見て最後に後輩がカミングアウトするという希望も見える描き方。
要は上の世代が生き方を下の世代に示していくことが重要なのだと感じた。
こういう時点で見ると三浦も腐女子の先輩に憧れていたのかもしれない。
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