監督 古賀豪
僕は浮世絵に詳しい訳では無いけれど、歌川国芳の髑髏は大好きなんだ。倉敷にある国芳館まで観に行ったりもしたんだけど、この作品を観たら、まさに国芳の髑髏がスクリーンを縦横無尽に動いているようだったんだ。
前半のストーリーは、横溝正史の八つ墓村をイメージさせる話で、ミステリアスで耽美的な日本のエンタメ作品のエッセンスと水木先生の反戦メッセージをミックスした作品のように思えたんだ。
バットマンで言うビギンズにあたる昭和31年の鬼太郎誕生物語なんだけど、どちらかと言うと目玉のオヤジの過去の話なんだ。目玉のオヤジが目玉になる前の姿は、クールで飄々としていて、なんだかカッコいいんだ。
舞台となる龍賀家が繁栄していたのは、ヒロポンのような薬を製造して売りまくっていたからなんだけど、その製造方法を見た時、これが実写映画だったら、さぞ恐い絵になるだろうな、アニメで良かったと思ったよ。