ねむろう

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のねむろうのネタバレレビュー・内容・結末

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2023新作_232


ここから先は、とても危険です。
警告はしましたよ――


【簡単なあらすじ】
廃墟となっているかつての哭倉村に足を踏み入れた鬼太郎と目玉おやじ。目玉おやじは、70年前にこの村で起こった出来事を想い出していた。あの男との出会い、そして二人が立ち向かった運命について...
昭和31年―日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配されていた哭倉村。血液銀行に勤める水木は当主・時貞の死の弔いを建前に野心と密命を背負い、また鬼太郎の父は妻を探すために、それぞれ村へと足を踏み入れた。龍賀一族では、時貞の跡継ぎについて醜い争いが始まっていた。そんな中、村の神社にて一族の一人が惨殺される。それは恐ろしい怪奇の連鎖の本当の始まりだった。
鬼太郎の父たちの出会いと運命、圧倒的絶望の中で二人が見たものは―。



【ここがいいね!】
私自身は、「ゲゲゲの鬼太郎」のアニメシリーズは第4期をちょっとだけ見て、「墓場鬼太郎」をテレビで見たぐらいで、ほとんど「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズからは離れてしまっているという立ち位置です。
もちろん妖怪というのは、生前に抱いていた怨念だったり、悲しみだったりというところが元になっているというところだと思うのですが、やはり人の世の中というものが幽霊を作り、幽霊を引き寄せるのだなと改めて思わせてくれる作品でした。
特に、「鬼太郎誕生」と銘打っていますので、オリジンストーリーになっているところも、おそらくどの時代に「鬼太郎」を見ていた人たちでも熱くなるような話になっていたのかなと思います。
そんな中で、作品のメインとしては今年『ミステリと言う勿れ』の劇場版がありましたが、それと同じで「犬神家の一族」のような、古い村の大きな一族の跡目争いが展開する中でどうなるかというところと、妖怪の話を重ねていく話運びも非常に面白かったです。
また、現在の「呪術廻戦」などのような、【妖怪・幽霊 × アクション】というところは、「鬼太郎」がすでにやっていたことなのかもしれないと改めて感じますし、そのテンポ間の良い大迫力のアクションは「呪術廻戦」から逆輸入されて帰ってきているなという印象でした。



【ここがう~ん……(私の勉強不足)】
やはりこれは「犬神家の一族」もそうですし、『ミステリと言う勿れ』でもそうなのですが、一族の話が序盤から終盤の初めぐらいまであるわけですが、それぞれの人物の関連性が若干分かりづらかったところはあります。
パンフレットには、家系図がありましたので、そこで補完することはできますが、かといってその家系図が極力重要であるかというとそうでもない印象でした。
しかし、亡くなった時貞というおじいちゃんがどんな人物であったのかということが、最後の最後にわかるわけですが、そこを理解するためにも、もう少しだけ説明をしておくと良かったかなと思います。



【ざっくり感想】
予想していたよりもよかったというのが正直な感想です。
ラストカットのところは、アニメだったり漫画だったり、「墓場鬼太郎」だったりを見ていた人物からすると、「なるほどそういうことか」という気持ちになるような繋げ方だったので、とても良かったです。
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