チョコレートと猫

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のチョコレートと猫のネタバレレビュー・内容・結末

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

評判が良かったので期待して観に行ったら、期待値上げ過ぎたみたいでちょっと拍子抜けしてしまった。

良いことは以降ほぼ書いてない。







犬神家の一族のオマージュがあるって先に聞いてたので、犬神家の一族を観てから観ればよかったとちょっと後悔した。

観終わって、これサマータイムレンダだなって思ってしまった。

一族から酷い仕打ちを受けている少女・沙代が、例え死から逃れられなくても何かしらで報われればいいと思っていたけれど、期待していた結果にならなかったので、彼女が祓われてしまった以降、ちょっとダレてしまった。
多分一番盛り上がる場面なんだろうけれど。
川井さんの音楽が相変わらず美しくて綺麗だなーと思いながら他に関して無感情で画面を観てしまってもったいなかった。
水木のように心の切り替えを素早くできればよかった。

沙代から思いを寄せられて、倫理観がしっかりしている大人の男性である水木を好ましく思うものの、同時に彼女を傷つけたくない・傷つけられない(お得意様のお嬢さん・庇護する存在の子供でもあるので)煮え切らない態度にも見えてなあなあな言動にイラっとしてしまった。
きっとあそこで死んでしまう運命だったのだとしても、青い炎に身を焼かれてしまった悲しい最期だったのだとしても、一瞬でも彼女を抱きとめてくれる水木であれば、それがやさしい嘘だったとしても、きっと沙代は報われたんだと思うし、観客の私も存分なカタルシスを得ることが出来て満足して★5にしただろうと思った。
その心にも思っていないことをしっかり言えないところが水木のいいところなのかもしれないけれど。
あと、沙代の霊力なり遺灰なり遺品なりなんなりで、爺にやり返して一矢報いればもっとよかったと思った。
(多分、男バディ物として女性が入るのをノイズに思われて避けたかったんだとは思うけれど。)
(どうでもいい敵勢力が使ってた斧を武器にするんじゃなくて、沙代が持ってた何かしらで返り討ちにするとか)

結局、虐げられてきた沙代を始め、魂の殺人を強いられてた一族の女性たちは何一つ報われなかったし、やり返すことも出来てないのだとわかってがっかりした。
最後の狂骨は幽霊族だと思うし、幽霊族もあれだけの仕打ちを受けているから復讐を遂げるのは正当だと思った上で、一族の女性たちも爺を始末するのに加担してほしかった。
監督か脚本か他のスタッフかはわからないけれど、さては女が嫌いだな?と下衆に勘ぐってしまったくらい女性がかわいそうな上に報われなかったどころか悲惨な死を負わされてばかりだったので、ノットフォーミーだった。

BL・ブロマンスでよく見る疑似親子物で、その子供を産んだ母親が悲惨に陥るのが個人的に受け付けないんだなとわかって、また新たに自己理解できた点はよかった。
(原作がそうであるらしいのでしょうがないのだろうけれども、命懸けで産んどいてその仕打ちはないだろ…と思ってしまった。邪魔な母親は排除して男2人で疑似親子でいいとこどりの子育て?醜悪で水木みたいに木陰で吐きそう)

変な間だとか、妙なテンポだとか、そのカット要る?3カメも映す必要ある?その長い尺は何?と、色々と観てて、アニメーションとして座りが悪い瞬間がいくつかあり、逆にその辺もっと尺取ってほしかったとか、どうせならアップと引きで詳しく見せてほしかったとか、気持ちよく物語に入り込めない部分がいくつかあり、鑑賞の妨げになってたのもあんまり好きになれなかった。

鑑賞特典はもらってないので、もしそれを観てたら評価が変わってたのかもしれないけれど、映画単体だけ観た感想はノットフォーミーだったんだなと理解した。