容赦無い描写と展開で、個人的に今年一番の作品かもしれません！
原作の『幽霊一家』をベースに、横溝正史テイストと竹内寛行版の『墓場鬼太郎』を彷彿とさせる見世物小屋的猥雑さを加えて、アクション描写はキレッキレという奇跡！
全体的に漂う『墓場鬼太郎』時代のテイストに、『総員玉砕せよ』などで水木しげるが何度も描いた市井の名もない徴兵で戦場に送られた人間のルサンチマンが容赦なく描写されている。
そこに名家の遺産を巡る争いの中、次々と起こる怪異な殺人事件とその背景にある閉鎖された村の因習の狂気、さらには戦後に財を成した権威者達の戦争犯罪も語られ、非常に厚みのある設定が素晴らしい。
竹内寛行版『墓場鬼太郎』にあった、独特のケバケバしいキワモノ感溢れる探偵譚と怪奇漫画テイストが盛り込まれているのもフックとなっている気もします。
漂うエロティシズムもなかなか！
水木とゲゲ郎とのバディ感もいい感じだし、過去と現代が交差した鬼太郎の絡み方もいい。
アクションシーンもキレが素晴らしく、あと数回は劇場で観たいと思わせるクオリティでした！
