⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のゆきゆきのネタバレレビュー・内容・結末

言うても『ゲゲゲの鬼太郎』でしょ？と舐めて観たらとんでもなかった。横溝正史ばりの因習ホラーを下敷きに、紛れもなく水木しげるの作品として作られています。

人間、特に若者や弱者を食い物にしのさばる特権階級者の醜悪さ。戦後の傷を引きずる水木と、人間を毛嫌いしながらも妻の思いを裏切ることができないゲゲ郎。このバディ感がやっぱり良いですね。

話がひと段落したと見せかけて、墓場鬼太郎の1話へと繋がるエンディングは感動的。目玉おやじが水木に鬼太郎を託した意味が一際深いものになる。タイトル通り鬼太郎が生まれるまでの話なので、鬼太郎自身の出番は殆ど無いにも関わらず、このラストでなぜ彼が人間の味方でいれるのかがよく分かるのが見事。