ノートルダムのサメ

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のノートルダムのサメのネタバレレビュー・内容・結末

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

水木漫画が生まれた街・調布。
それはとてもよく知っていました。毎年、毎年、調布では鬼太郎関係で調布を盛り上げようとしているからです。

鬼太郎がアニメ化しても、「また調布が大変なことになってらあ」、「でも鳥取には負けてんだろ?」と思うくらいで 世間的にはウケてない印象でした。

私はそんな街に住んでいます。

しかし、今回の映画は 所謂オタクたちにウケているではありませんか。
パンフは即完売、グッズも高騰転売……。
オタクたちが、あの『ツイステ』や『鬼滅』のような盛り上がりを見せている。

「一体、どうなっている?」

遂には10年ほどの付き合いの友人までもが、「鬼太郎」の話を突然し始め、毎日毎日同じ話ばかり。しかも明後日5回目を見に行くとまで言い始めたんです。

これは大変なことになっている。真相を確かめねばなるまい。

今日重い腰を上げやっとの思いで観劇しました。そして、見終わった私の心には『無』が残ったのです。


なんとも言えぬ喪失感。一冊の分厚いサイコミステリーホラー小説を読み切ったあとのような、達成感。そして、モヤモヤ。

村の因習、明らかに様子がおかしい時麿を始めとした村の住民達、近親相姦を良しとする大人達、雁字搦めになっている関係──。何もかもが気持ち悪い。これが許されて良いのか?

いや、この残酷さがオタク達にウケているのだろう。

「こうなんでしょ?」という予想を裏切るような展開が続いて、最後までとても面白かった。

時代背景もしっかりと描かれていたと思う。あの頃の大人達は何処でも煙草を吸っていましたよね。私生まれてないですけど。

6期鬼太郎をリアタイで駆け抜け、墓場鬼太郎の1話も過去に見ていたので 「お!」と思うところが幾つかありました。

あと、最初の哭倉村の情景が私が憧れた田舎の描写として百点満点すぎて…。例えるなら妖怪ウォッチ2のケマモト村のような。素晴らしい。

PG12制限がついていましたが、正直鬼滅と同じ区分なのが謎。こちらの方がより私は子供には見せたくないですね。

一回見ただけでは飲み込みきれないので、もう一度見たいと思いました。本当にすごい作品だった。