ぐるぐる

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のぐるぐるのネタバレレビュー・内容・結末

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

妖怪は私たちの回りにもいて、見ようとしていないだけでほんとうはそこにいる
妖怪を人でなしとするのはまた人で、狂骨も元は人間
その執念、怨念、想いの強さが人でなくする
昔は妖怪って単なる子どもだましで、怖がらせるためのものと思っていたけど、人が「あれは鬼だ」と言えば、人ではなくなり妖怪となる
人と妖怪を分かつのは周囲の思い込みと己の想い

なんかそんなことをぽつぽつ考えながら、裏気道?や狂骨の親玉みたいなのとゲゲ郎が戦うシーンは、そうか概念だけじゃない!ともなって、ファンタジーを行き来する
でも設定として戦中・戦後の日本を生き抜く人の世界の見え方、経験したことの重みがずっしりあって、妖怪というそれ自体の話も、偶然ではなく意図されて重なっているような
妖怪たちが戦ってどうこうなる、武力で解決する話ではない
それそのものの姿・想いと向き合う、その姿が鬼太郎を追う記者に受け継がれていた
ときちゃんの願う世界は訪れなかった
それでも諦めず、忘れず、見て見ぬふりをせぬこと、それが未来への道しるべということか