昭和31年、日本の財界を裏で牛耳る龍賀製薬の秘密に迫ろうと跡目争いにかこつけて一族の支配する村を訪れた水木。そこには土着の神を祀る不気味な村人たちがいた。すぐに一族の人間が酷い死に方をする事件がおきるがそんななか行方不明の妻を探す謎の男が村に現れた。水木は男を監視する役目を与えられるが男には不思議な力があって、村に隠された恐ろしい呪いへと迫ることになる。
前後の復興を遂げた近代日本の勢いの裏に隠された呪いの闇というダークな世界観を持った本作。戦時中に前線から生き延びた命を燃やすサラリーマン水木はいまだ財界の戦争のなかにいるようだ。私が日本を転がしてやるから国民はバカであればいいという一族の当主はまさに現代日本の政治家を揶揄するような存在だ。いまは落ち込んでしまっているが子供たちは日本の希望でありその子供なちが幸せになれる日本を私たち大人が作ってゆく使命と決意をこの作品から感じた。鬼太郎はほとんど出てこない。
