幼少の頃にどっぷりハマっていたゲゲゲの鬼太郎（3、4期をよく観ていた）
鳥取県にも何度か連れて行ってもらったし、妖怪という存在が大好きだったあの頃。
怖い話など、とても苦手だったはずなのに、一人で夜にトイレに行くことも怖かったような子供だったはずなのに。
鬼太郎が、恐怖の、仰々しく云うとホラーの原体験であり、ルーツ。
ちょっぴりホラーが好きな大人になった。
呪いとか幽霊とかよりも、人間の狂気の方に畏怖を抱き、そしてそれを好むようになった。
狂気に惹かれ、魅了された。底知れぬ人間の悪意や、理不尽、常識外の行動と思考、躊躇わずにアクセルをベタ踏みし続けるような人間達を心底カッコ良いと思うようになった。
久しぶりに自分の原点を思い出して、今、映画館に会いに行く。
以下、ネタバレを含みます。
満足度は高かったけれど、もっとゆっくり観たかったというのが本音。
つぎはぎのキメラって感じ。
サスペンス、ホラー、グロ、ミステリー、妖怪、アクション、水木しげるらしさ。それぞれを一辺に描こうとしているから、駆け足で薄味。
映画というエンタメに求める成分が全て詰まっていることは良いことだが、悲しいことに一本筋の通ったカタルシスが無い。
当たり前だが、鬼太郎の誕生から逆算してストーリーが展開していくため、なんだか急に鬼太郎のエッセンスを振りかけられるシーンが多い。サスペンスのような展開の中、のめり込んでいる途中にそれは振りかけられ、勝手に軌道修正されていく。あぁ、今自分はゲゲゲの鬼太郎の映画を観ているんだっけ。
もっと思い切ってホラーサスペンスにしても良かったし、もっと鬼太郎らしく懐かしさを感じれるような作風にしても良かったと思う。バランスを取りすぎていたところが少し残念だった。ひとつひとつ丁寧にじっくり観たかった。
