鬼太郎ファンタジーは、キレイなアニメーションと風刺の効いた作品。
鬼太郎アニメ世代のわたし。鬼太郎漫画を万人に受けやすいキレイなアニメーションに仕立て直し、お茶の間に届ける仕様には慣れているはずだけど、鬼太郎誕生の原作漫画を読んでいたため、本作のキレイすぎる(潔癖な)作りには違和感を覚えた。別の人も言っているが、本作はあくまで鬼太郎主題の二次創作であり、原作者水木しげる先生の作品とはかけ離れている。水木しげる先生の画風は、もっと湿った土の匂いが漂うようなおどろおどろしさがあった。
本作での銀行マンで元兵隊の水木の記憶は、実際に兵役についた水木しげる先生の自伝の引用であろう。公開1ヶ月にもなるのに土曜夕方の客席には若者も含め多くのお客がいた。(びっくりした)
あんなにも無意味な死があったのですよ。本作を通して若い人が観てくれたことに価値を感じる。水木先生の思いが時代を変えて、形を変えてリマインドされる。名作とはこういうことだ。
