昭和31年、会社員水木は日本の政財界を牛耳る龍賀一族の弔いを理由に哭倉村に訪れるが不気味な連続殺人に巻き込まれ…というお話。
鬼太郎が生まれるまでを現代風にアレンジした意欲作。前提としてゲゲゲの鬼太郎を知っていないと楽しめないが、これを見るからには知ってるでしょ？というファンムービー。
鬼太郎シリーズを見ているとチラホラ出てくる「墓場の鬼太郎？」「目玉のおやじはなぜ目玉だけなの？」「幽霊族のご先祖様の念のこもった霊毛ちゃんちゃんこ？」…あたりの設定がほぼすべて説明される。
…と、かなりコアなファン向けの作品なのだが、メインストーリーの龍賀一族の因習やおどろおどろしさが非常に面白い。もうこれ八ツ墓村やん！というくらいに江戸川乱歩調。何ならいくつかの八ツ墓村の映画よりよく出来ている。(…言っちゃった)
そんなオカルトミステリの風呂敷をきれいに畳みつつ、前述の鬼太郎の前日譚を(エンドロールやエピローグまで使って)完全に語る超絶技巧。それでいて104分で終わるのはとんでもない！
