原作『墓場鬼太郎』の「鬼太郎誕生」リブートかと思ったが、更に遡った前日譚であった。やや強引ではあるが、しっかり繋がるようになっているし、オリジナルの内容が少し“味わい深く(キャラの行動へ補足的に機能)”見えるようになるのは良い(ただ“想像性を偏らせる”という意味では悪いとも言えるが)。
閉じられた村社会の忌まわしい風習、横溝正史シリーズ的なサスペンスの舞台装置を活かしつつ、終戦直後の時代背景だが現代的にも通ずる“強者による搾取構造である世の中”に対する悲痛な叫びを非常にシンプルで解りやすくテーマに添えてある点は、骨太でありながら(狂骨だけに？)あまり説教臭くなり過ぎない適度なバランスで良心的。
最終的には好みの問題だが、要所要所で“どうせなら実写で観たかった”と思わせるシーンや演出などもあったり、絵柄のタッチがどうにもスッキリし過ぎてると感じてしまったりで(ホントに好みの問題)、やや満足感に欠けた部分もあったりなかったり。ただ、期待していなかった分なかなか楽しめたことは確かだった。
エンディング曲がアニメ初期のアレンジなのは良いですね。
全然関係ないですが、見終わったあとあまりにも暇だったので、何となくテキトーに時間つぶしで『ウルヴァリン SAMURAI(初見) 』を観ていたら、どうも最後の方に既視感が…。あれ、なんだ、このカンジ……いつ見た？
あ、さっきじゃん!!
みたいな。
