評判がよかったので鑑賞。
鬼太郎出生にまつわるエピソード。
鬼太郎というと、小さい頃アニメを見てはいたし、ファミコンゲームで遊んだ記憶もある。とはいえ、原作漫画を読んだことはないという感じ。
たしかに横溝正史的な世界観。
田舎村の富豪のトップが亡くなって、遺産相続でもめて、殺人が起きて、跡継ぎ候補には異様な者もいて……ってなると、『犬神家の一族』を想起。
そこらへんのおどろおどろしい雰囲気と妖怪が出る話とが合わないわけがない。
ガッツリ家父長制が絡んでくる話でもあるし、真相も含めて、横溝正史的。
そこにうまいこと妖怪的な要素が組み合わさってる形。
加えて、水木しげる作品なんでね、戦争の酷さと、そこにつながる搾取的な考え方への批判もしっかりある。
「兵士から企業戦士へ」変化があるようで、権力者が搾取をする構造は変わらない所もしっかり描かれている。
アニメのヴィジュアル面では特に最先端な感じではないと思うのだけど、ちょいちょいいいなと思える演出も。
序盤で水木の会社の社長が喋ってる時に画面には金魚鉢の金魚(出目金?)が口をパクパクさせてる。まるでその金魚が喋ってるかのような見せ方は面白い。
そこもそうだし、時々「目」が印象的なところもいくつか出てくる。そこも鬼太郎ならでは。
クライマックスが数段階になってる構成。
殺人の真相あたりのクライマックスがあり、主人公バディとラスボスとの対決クライマックスがあり、そこからさらに……。
ここはこちらも気持ちがどんどん上がっていく。
最後に序盤とつながる現代パートが来るのだけど、そこで最後に残った相手をやっつけるわけじゃないってのは今どき。
あと、皆が知ってる鬼太郎の、鬼太郎ならではの武器と主人公性をちゃんと見せてくれるのもいい。
鬼太郎誕生エピソード、自分は実は知らなかったのだけど、それをまさかそのタイミングで見せるとは。
どうやら上映時間を長くしたくなかったようで、それでこうなったのかなあ。
はじめは本編で見せてよとも思ったのだけど、ただあの形で見せてくれるのもなんかいいなと。