これは傑作以外の何物でもないアニメ映画。
まさかゲゲゲの鬼太郎でここまで胸を打たれ、感動させられるとは...
ある一族とその一族が生産している薬の秘密というミステリーを妖怪を絡めながら描いていく本作は、メインストーリーと展開だけ見れば「子供向け」だが、明かされる秘密があまりに悍ましく、その悍ましさが「旧日本軍の軍国主義」や「日本の搾取構造」、「家父長制」等、戦争と戦後の日本を真っ向から描き上げるという作風に痺れる。
この作品は物語総じて「反戦」を伝えているが、子供が見るだろう作品でそれをやってのけた熱意にまず感動させられた。
一族の風習や行いに濃厚に戦争の匂いが漂う本作は、それを真っ向から否定しようとする主人公らをヒロイックにも語り上げるのでエンターテインメント作品としても上がるものとなっているのも見事!
バトルシーンも見ごたえがあり、絵のきめ細やかさは目を奪われる美しさもある。
そして、結構フレッシュなゴア表現まであり！
そして、この作品が描き上げた「愛」と「未来」には涙させられた。
「ある産声」で作品が鬼太郎のビギニングストーリーとしてうずきだし、誕生のまさにその瞬間を描いて終わるラストショット!完璧でしょう!
これは映画館で観たかった!本当に心底後悔してしまう。
