ずっと気になっていた作品、アマプラ配信でようやく観ました。水木しげる生誕100年記念作品、ということですが、傑作ですね。
正直、子どもの頃は、怪奇漫画は怖くて、あまり観てないのですが、昭和世代として「ゲゲゲの鬼太郎」は、避けては通れない作品の一つです。
本作は水木しげる自身は描いていない「鬼太郎の父の世代の物語」。水木自身の体験による「戦前戦後」、横溝正史の「犬神家の一族」をベースにした旧家の因習話、そして戦後復興における「負の遺産」などを見事にブレンドして物語は構成されています。
作画自体は今風であり、描写も抑えられているものの、怪奇、恐怖、異形、陰惨など、怪奇幻想譚として練り上げられており、上質な作品だと思いました。（決して横文字のホラーではない）そしてラストで語られる「未来への希望」も素晴らしい。
現代のクリエイターたちをも魅了する、水木しげるの残した偉大な遺産の成せるワザだと思います。おススメします。
