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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のクリームのレビュー・感想・評価

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
4.0
ストーリー展開もテンポも良く、最後まで読めなくて面白かったです。関俊彦さんと石田彰さんの声は、好きなので嬉しかったです。鬼太郎誕生だけど目玉オヤジ誕生でもある。ただ内容が、わりとヘビーなので大人向けな作品だと思います。満足感のありました!

昭和31年。政財界を牛耳る龍賀一族の支配下にある哭倉村。血液銀行に勤める水木は当主·時貞の葬儀に出席しあわよくば、出世しようと目論んでいた。鬼太郎の父·ゲゲ郎は妻を探しに村へやって来た。そして、龍賀一族は、醜い跡継ぎ争いを始めるのですが…。



ネタバレ↓



水木が村で最初に知り合ったのは、沙代(当主の孫)と時弥(時貞の三女の息子)。沙代は水木に思いを寄せ、一緒に東京へ連れて行って欲しいと言う。
時貞の遺言書により、長男が次期当主に指名されるが、翌朝には死体となって発見された。ゲゲ郎が殺人犯として疑われ、捕らえられ、次々と一族は変死して行きます。
水木の真の目的は、一族が製造·販売していると噂の摂取すれば不眠不休で働けるという血液製剤「M」の証拠を探る事でした。「M」の原料は幽霊族の血だった。水木とゲゲ郎はお互いの目的のため手を組む事にします。
Mを作る工場は、渡ってはいけないとされる島にあり、2人は島へ渡ります。
沙代は一族の犠牲者でした。一族の女性は処女を当主に捧げる掟があり、沙代は時貞と関係していた。沙代はいつしか一族の怨念を背負い強大な力を宿します。村で起きた一族殺しは全て沙代の力によるモノだった。沙代は更に残された一族を殺し、最期はその力に焼きつくされます。
水木とゲゲ郎は、幽霊族の血を吸った血桜の元へ。そして現れたのは孫·時弥の身体を奪った時貞。
激闘の末、時貞を倒しますが、一族の悪行が生み出した怨念は消えず、ゲゲ郎は見つけ出した妻と体内にいる赤ん坊を水木に託し、自分がその怨念と戦う事を決意しました。
その後、水木は山道で倒れている所を助けられますが記憶を失っていました。
そして、彼は後に荒れ果てた家屋でゲゲ郎とその妻と再会しますが、記憶がない為、怨念でミイラと化したゲゲ郎が水木に駆け寄ると逃げ出します。しかし、後日様子を見に行った彼は2人が亡くなっているのを見て、妻の遺体を埋葬すると、そこから赤ん坊(鬼太郎)が這い出てくるのでした。
奥のミイラ化したゲゲ郎の目からは、目玉おやじが出て来ました。

結構な壮絶ストーリーで、内容も闇深く面白かったです。そして、血液銀行と言う“血液を売買する”機関は、戦後日本で実在していたらしく、水木の戦争中のトラウマや一族の近親相姦等、実際にあり得そうな背景を入れているのも私は、楽しかったです。が、子供向けな内容ではない。大人向けな作品だと思います。楽しかったです。
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