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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のstanleyk2001のレビュー・感想・評価

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
4.0
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
2023

「残念ながらこの国はあの日、君と夢見た未来とは程遠い。相変わらず皆、心貧しく苦しみ続けておる」

原作でもTVアニメでも描かれていない鬼太郎が誕生する前の物語。

脚本が完成するまで1年かかったという。苦心の跡が窺われる。鬼太郎の父親ゲゲ郎と語り手水木が訪れる因習の村は『八つ墓村』をイメージしたという。村の一族の少年の名前が「時弥」。『八つ墓村』の事件に巻き込まれる青年の名前は「辰弥」だ。

製薬会社の当主が亡くなり遺産相続を巡って騒動が起きる。そして相続人が次々と残忍な方法で殺されていく。ここまでなら横溝正史の金田一耕助ものだが湖に浮かぶ島から怪しい音と地鳴りがするあたりから妖怪ものになっていく。

後に鬼太郎の父親になるゲゲ郎の一族は「幽霊族」と呼ばれているが足はあるし昼でも活動しているからエルフのような精霊の一族のような印象。

ゲゲ郎がホームズ、水木がワトソン役になるのだがゲゲ郎もスーパーマンではないところが新鮮。

明治、大正、昭和と日本の政治と経済と軍事を陰で支えてきた大企業の陰謀と忌まわしい一族の秘密。

ホラー、アクション、スペクタクル盛り沢山な内容を95分に収めた演出の手腕が素晴らしい。

キャラクターデザインが高橋留美子さん風。回り込み出来ないデザインで最初は馴染めなかったけれどわざとリアルにせず漫画風を狙ったのかな。

水木しげる先生生誕100年記念映画。水木先生も天国できっと喜んでいるでしょう。先生、素晴らしい映画になりましたよ
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