ピヨ彦

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のピヨ彦のレビュー・感想・評価

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
4.0
昭和31年という年代設定、都会から遠く隔絶された田舎の集落、集落の中で権力を持つ一族、そして一族の後継者争いの中で、次々と親族たちが謎の死を遂げる…
これだけ聞くと、まるで横溝正史の『犬神家の一族』か、手塚治虫の『奇子』みたいだなと感じた人も多いと思います。
こういう手の話が好きな方は、きっと好きな作品かと思います。

作品の中で、水木の風貌が「佐田啓二(中井貴一のお父さんで、戦後の二枚目俳優)みたい」と称されたり、不死身のように不眠不休で働き続けることのできる薬「M(おそらくヒロポンのメタンフェタミンがモデル?)」が出てきたり、実際の昭和30年代に実在した人物や薬品が登場するので、ストーリーがリアルさを増しています。
妖怪だとか幽霊だとか、フィクション要素の多い話だからこそ、ストーリーの背景はよりリアルにして、さも本当に起きた出来事かのように見せたかったのかなと感じました。

鬼太郎は子供の頃にアニメで少し見ていたくらいなので、詳しいキャラクターや設定は知りませんでしたが、前日譚として今回の作品のような話があったのだと思うと、目玉の親父の家族愛に感動しました。
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