話題になっていた鬼太郎誕生秘話の映画化。
昭和31年龍賀一族の後継ぎを巡り、社長でもある克典と懇意にしている水木が招かれる。
そこで後継者が長男に指名され、一族の血肉が絡んだ争いが始まる。
完全に横溝正史の世界であり、中でも「犬神家の一族」そのまんま。
とはいえゲゲゲの世界なので、死に方は悲惨そのもの。
次々起こる一族連続殺人の幕開けであり、水木はその場に現れたゲゲ郎と共に謎解きをしていく。
水木しげるが戦争に参加し、二度とこういう悲劇を起こらせないために「ゲゲゲの鬼太郎」は生まれた。
そこを戦後すぐの世界観を通じて分からせる。
話しは悲劇に向かっていくのだが、そこを救うのがエンドロールからのラスト。
希望の象徴となっているのが鬼太郎であることは明白であり、だからこそこの誕生秘話が胸を打つ。