スコアも高い本作をアマプラで見つけたので、期待して鑑賞。見応えのある面白い作品だった。鬼太郎の誕生と、一言では済まされない、金田一シリーズのようなおどろおどろしい内容。アニメの鬼太郎だからって、ちびっこが見るようなもんじゃなかった。閉鎖的な村で起こる欲望を満たすための人間の醜い争い。そこに絡んでくる妖怪、幽霊族。さらにミステリー要素も入ってきて物語にグイグイ引き込まれる。本作で行われる悪の所業はかなりエグく、アニメならではの描き方をされているが、人間の業の恐ろしさ、愚かさをテーマとして含んでいる気がして考えさせられる。現代でも戦争があり、権力者により尊い命が失われているわけで、2023年の本作は水木の戦火のシーンには、反戦のメッセージもあるんだろう。映画の後半は全ての謎が分かり、エンターテインメントとしても盛り上がるし、壮絶な悲しい物語がある。そしてラストはちゃんと鬼太郎の誕生が分かるようになっている。104分の尺だが、かなり見応えがある。子供の頃から馴染みのある鬼太郎たが、それとは違うシリアスな物語を見れて大満足だった。
