第6期ゲゲゲの鬼太郎が放送を終了し実に3年ぶりとなる新作映画。
タイトルの通り鬼太郎が生まれる前日譚の話。墓場鬼太郎のストーリー、よりも前の完全なオリジナルのストーリーだが水木と父さんとの出会いや龍賀一族、そして現代に至るまでの構成がめちゃくちゃ良い。
オリジナルながらにして原作との相性もよく、包帯ぐるぐる巻き父さんとの出会いが実は二度目ましてというのは腑に落ちる。
製薬会社の一族話って、もろ犬神家の一族なんだけど龍賀一族もそれに負けず劣らず村一個体を介入出来る巨大な一族。そしてその一族の当主である龍賀時貞翁の存在感。
毎度のことながら妖怪よりも人間の方が恐ろしい。
綺麗な世界観に印象的な目玉のシーン、地元の妖怪たちもあえて目の部分だけを光らせたシルエットというのも乙なもの。まあ何の妖怪か全然分かるけどね。
6期のゲゲゲの鬼太郎は特に昔から観ていた人向けの演出や解釈が多い、だからこそ飽きないしガッカリさせられない。
ただこの映画の中には栄枯盛衰、友情や約束、教訓、人の話を聞く事、愛する事、決断する事などなどが盛り込まれており、改めて鬼太郎とは道徳であり幼いうちに観ておいて損はない優れた作品なのだと思った。
あと自分を育ててくれた作品なんでそもそも悪いことは言えないけど、思ってた以上に映画としての出来が良かった。
それにしてもゲゲゲの鬼太郎にまさか女子ウケする時代が来るとは、何が起こるか分からんわ。
