地底獣国

ただ空高く舞えの地底獣国のレビュー・感想・評価

ただ空高く舞え(2020年製作の映画)
3.8
お仕事映画(と言うより起業映画か)として大変面白かったんやけど、この話何%ぐらい事実が含まれとるんかね?ざっくり調べて分かったのは実際のエア・デカンは消滅したり復活したりなかなか多難という事ぐらい。

さすがにあの大手航空会社のCEOとかには特定のモデルはおらん気がするなぁ。航空局の責任者が会ってくれんとか設計図提出の話とかはありそうだけど、着陸許可出さないとか機長抱き込んでの妨害工作とかは盛り過ぎちゃうんちゃう?

あと、劇中何度か挫折、失意、辛酸舐める展開があるんだが、そっから再起するまでに尺を割きすぎ。お前何遍屋上で絶叫して夫婦喧嘩しとんねん。

とはいえそういうイラッとする場面を除いては結構テンポ良く進んで、歌と踊りも入って150分に収めているのは好感度高し。どうやって経費を抑えて運賃を下げるのかというのを説明する場面とかは観ていて「へええ」と感心(ただ大手会社のCEOが突いて来た通り「メンテナンスちゃんとしてる?っていうのは最後まで気になるままだった)。

あととにかく奥さんがカッコいい!最初の結婚の申し込み断るところから聡明で相手をよく観察しているっていうのが伝わるし、二回目の申し込みでOK出す時の間抜けなシチュエーションも(これ邦画でやってたら見てられないだろうに何でかしらん)楽しい限り。凹んだりウジウジしたりしてる夫を叱るところもいちいち素敵で堪らん。

書き忘れてたけど空港で知り合ってその後何度か主人公を助ける事になる女性記者も良かった。彼女にしろ奥さんにしろ、若干「主人公にとって都合の良い手助け」と取れなくも無いんだが、少なくとも観ている間ノイズにならなかったのは上手くチューニングしてるんやろうな。

これで悪のCEOにもっと魅力が有ればなお良かったんだが、まあそこまで言うのは贅沢か。

おまけその1:後半、奥さんの店の中で「歌と踊り始まるかな」と思わせてハグとキスだけして出て行く場面で吹き出した。

その2:小型機で通常より低い高度を飛ぶっていう話してるのに、この邦題はどうなん?
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