ちろる

桜のような僕の恋人のちろるのレビュー・感想・評価

桜のような僕の恋人(2022年製作の映画)
3.6
Netflix映画でなんども広告登場してきて、普段はなかなか観ないものの、大好きな松本穂香さんがヒロインとのことでちょっと気になって鑑賞。
よくある闘病ものとはまた違う、かなり残酷な病気を患った恋人を癒すことができなかったり主人公の苦しみと、病気を目の前にして看病する家族の、病気との闘いが印象的に描かれてる。

桜が美しく舞い散る春。
主人公の晴人は、担当美容師の美咲に恋をする。
同世代ながら美容師として一生懸命前に進む美咲と違って、自称カメラマンながら、実はカメラで生計を立てていない晴人。
晴人は、大好きな美咲に恥ずかしくない人間になろうと、カメラマンアシスタントを始め、徐々に仲良くなっていくのだが、美咲は既に、早老症という病魔に侵されていた・・・

美しいところを切り取りがちなこの手のラブストーリーにおいて、女の子を老婆のようにしてしまう残酷な病気を絡ませたのはなかなか新しい。
しかしストーリーでは、純粋な恋愛を育んでいた若い晴人が実際老婆になった彼女を受け入れて、今までと同じように愛していけたかというのは微妙。
老婆のような彼女を笑顔でハグするようなビジュアルがあればこそまさしく大恋愛!の烙印を押されたであろうが、そうではなく振られたからって都合良い理由で2人が会わなくなる展開はちょっと残念。
あの写真展の日のくだりを考えると晴人はきっと老婆の彼女を受け入れられなかったという可能性を示唆しているようで切ない。
そういう意味では、危険な民間療法におんぶして連れて行くお兄ちゃんの深すぎる愛に軍配は上がるでしょう。(ただ雪の日に一人で出かけさせるのはイミフ)

物語を展開していく上でちょっとツッコミどころがあったり、ご都合主義があるのはこの手の作品のあるある。
それらに目を瞑ったところでもやはり引き込まれて号泣!とはいかなかったのが正直なところ。
中島健人さんをどうしても使いたかったのは分かるし、でないと鑑賞人数確保できないのだと思うが、なんであんな感じのアイドルにいけてない風味のモテなさそうな役を演じさせるの?
いい加減こういう違和感あるキャスティング、やめませんかね?
それだけはちょっと気になりました。
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