Tsuneno

桜のような僕の恋人のTsunenoのレビュー・感想・評価

桜のような僕の恋人(2022年製作の映画)
4.5
おじさんになって、何十回も何百回も映画鑑賞というバッターボックスに立つと、選球眼ばかりが肥えてしまって、ああまたスライダーねとか、ストレートで勝負するならもっと伸びる球投げようねとか、切れ味は鋭いけどこりゃ暴投だよねとかなっちまうんだけど、こういう意味のある変化球は、心が空振りした後で「やられた!」って思える。これは魔球。
好きでい続けて欲しい、そのためには死んでもいいとか、好きでい続けて欲しいから死んで欲しいとか、好き合ってい続けたいから今ここで世界が終わってしまえばいいのにとか、そういう怖い願望ってのが人間の何処かにはあって、これはそんな美しい呪いの物語でもある。気がする。
あと、カメラマンと美容師って設定にも個人的にやられてしまった。
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