絵に描いたようなお話。
なのですがなかなか引き込まれてしまいました。
ふと思い出したのが45年前、茨城出身の物静かな友人の実家に遊びに行った時の事、「ちょこっとドライブ行くっぺ」ということで乗った車が室内に鉄柱が張り巡らされた妙にシートがフィットするケバケバしい車「なんだべゃこの車」「ラリー車だっペよ〜」といざスタート、一般道路を彼の性格どうりの物静かな制限速度の遵法運転でドライブを満喫していたところ「あれが筑波山だっぺよ。ちょこっとこっちの道路さ行くっぺよ〜」と入った道路が林の中の小さな小道。に入った途端、彼の表情がみるみる変わり今までの物静かな運転から打って変わっての林の中の小道をあろうことか60kmから80 kmで右に左にジャンプしての爆走。「なぜ右とか左とかにぃ曲ってぇいるとかわかるのよ〜〜」と聞くと「ちょこっとはいりくちが曲がる方にくぼんでいるっぺよ〜」と仙人のような言葉を繰り出す彼に意識が遠のくような思いをしたあの日を思い出した「僕と彼女とラリーと」(2021年作)なのでありました。
