mako

そして僕は途方に暮れるのmakoのレビュー・感想・評価

そして僕は途方に暮れる(2022年製作の映画)
3.8
《逃げて、逃げて、逃げまくる―
人生を賭けた、逃避劇。》
◎76点

監督、脚本・三浦大輔×主演・藤ヶ谷太輔。

シアターコクーンで上演されたオリジナルの舞台を、再タッグで映画化。
主人公・裕一役の藤ヶ谷太輔、裕一と同棲してる恋人・里美役の前田敦子、裕一の親友・伸二役の中尾明慶は舞台から続投。
他は映画からの新キャスト。

【ちょい、あらすじ】
些細なことから、あらゆる人間関係を断ち切ってしまった1人のフリーター菅原裕一(藤ヶ谷太輔)の、人生を賭けた逃避劇。
逃げて、逃げて、逃げ続けた、その果てに待ち受けるものとは―。


主人公に共感なんてしない笑
同棲してる彼女に何もかも甘え、やって貰うのが当然のように振る舞う様にイライラする。
しかもフリーター。有り得ない。
よくこんな彼氏と里美(前田敦子)は結婚しようと思うなと呆れながら観てました。
そんなある日、ある事がバレて言い合いになり話し合うことから逃げ、裕一は家を飛び出してしまう。次は親友・伸二(中尾明慶)の元へ、そこでも相変わらずの態度で伸二から苦言を受けると逃げ出す。そして、また次へ、次へ…。

問題に向き合わず、話し合うことさえしない。都合が悪くなると逃げる。
大人になりきれてない、というか人として問題だと思います。

誰しも都合が悪くなることはある。でもそれは解決しなければいけないし、一人で解決できそうになければ問題を話し合い、理解を深めて解決策を探る。
人間関係を築くということはそういうことだと思う。
世界は、自分を中心に回っていないのだから。
人は、一人で生きていない。
いろんな人の手があり、思いがあり、助けがあり生きている。
だから感謝、謙虚さを忘れてはいけない。
裕一に足りないものは、その2つだと思った。

そんな裕一が最後に辿り着い先の主が裕一以上のクズで笑
「人の振り見て我が振り直せ」という諺がありますが、まさにそんな感じで裕一は少しですが成長していく。

人間関係を断ち切って生活するって寂しいし、人間的にも成長しないということを改めて気づきました。

主人公に一切共感はせず、その周りの人たちに共感しました。
本作の出演者、皆さん良かったです。
裕一役の藤ヶ谷太輔さん、初めてちゃんと演技を観たけどとても良かったです。情けない感じの主人公にピッタリで、とてもジャニーズとは思えません笑(褒めてます)
後輩役の野村周平さんも良かった。絶妙な距離感を保ってて感心しました。
父親役の豊川悦司さん、こういう役をやらせたら上手い👏

エンディングは、大澤誉志幸の「そして僕は途方に暮れる」。
本人が映画のための新アレンジで歌唱。


イライラさせられるけど、なかなか面白かったです♪


観客 9人
劇場鑑賞 #8
2023 #8
mako

mako