甘えられそうな人間には自分勝手に振る舞い、先輩には媚びへつらい、後輩には偉そうに虚勢を張り、そしてすぐ逃げる。いやぁすごく人間臭い。身近にいてほしくないけど画面越しに見ている分には面白い愛すべきクズっぷりだ。
と、主人公裕一のクズっぷりばかりがクローズアップされてるけど、長年ずっと親友と思ってくれている友人がいたり5年同棲している彼女がいるわけだし、基本的には悪い奴じゃないんだろうな…とか考えを巡らせてみたり。でも別にそんなこと考える必要のないコメディ映画なのかな、内容的に。
クズにクズと言われた可哀想な父親の「お前に言われたくない」発言は笑えるし、ウジウジ何も言えない裕一に姉が一喝するシーンや恋人と親友に裏切られるシーンを見て「自業自得www」と性格悪いけどちょっとスカッとしたりもする。
ただ、クズだクズだって書いてるけど「自分のことが分からなくて…なんかごめんなさい、なんかすいません」と繰り返す裕一の言葉が本心なら、それはもうクズというより障害なんだろう。誰かに依存しないと生きられなさそうだし。
あれ?じゃあこれスカッとしたり笑っちゃいけないやつなのか?うーむ。