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クラック: コカインをめぐる腐敗と陰謀のfancymummyのレビュー・感想・評価

3.5
トム・クルーズのバリー・シールのその後、the clashのサンディニスタ!の映像版とも言えそうなドキュメンタリーだった。

女性が壊れると社会が壊れるという元売人の言葉は重かった。

先日「4度目の公判」という殺人の冤罪で22年間収監されていた黒人男性のドキュメンタリーを見たが、彼が最後に自分に関わってくれた女性達に謝辞を述べるシーンをふと思い出し、重ね合わせて考えるものがあった。

ムーンライトも思い出した。

プロジェクトで暮らし、医療の仕事をしていても、更に売春をしてクラックを使う母親。
彼女を堕落した母親と断罪する事が出来るか?

クラックを売っていい暮らしをしながらも彼女の息子に手を差し伸べ、結果的に殺されてしまう売人。
もちろん善人ばかりでは無いが、貧困を抜け出す手段として売人を選んだ彼を指をさして否定する事が出来るのか?

おしなべて罪は罪と言うには、何も持たせてもらえない黒人や移民の方々に対してあまりに不公平で、いびつ過ぎる構造に脳が沸騰しそうだ。

小手先で仕事する無能な政治家が出てくると本当に画面に向かって飛び蹴りしたくなる。

問題の本質を見極めない奴、話をすり替える奴は大嫌いだ。
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