Elijah

Firebird ファイアバードのElijahのレビュー・感想・評価

Firebird ファイアバード(2021年製作の映画)
4.0
ペーテル・レバネ監督、トム・プライヤー(セルゲイ役)、オレグ・ザゴロドニー(ロマン役)の舞台挨拶付での劇場鑑賞。
良い作品だったとは思うけれど、“誰”の視点/立場、或いは寄り添って観るかによって感想が大きく変わる恐れがあるように感じた。
決して「美しい物語」で終わらせてはいけない、と言うのか。
思い返すと自分はどことなく『ブロークバック・マウンテン』の関係性をフラッシュバックした。
始終、危険を顧みないセルゲイとロマンの軽率に思える行動に観ているこちらがヒヤヒヤとしてしまう。
また、ロマンの立ち位置に「酷い」や「弱い」といった観客の意見を知ったけれど、自分は「狡い」と思ってしまったのが正直な気持ち。
でも、それがラストシーンに於けるセルゲイのモノローグとロマンの手紙の一文で、彼らの真意を知り帳消しになったような思いに駆られた。
鑑賞前はオレグ・ザゴロドニーがお目当てだったのだけれど、観ていく内に気付けばどんどんとトム・プライヤーに惹かれている自分が居た。
それくらい彼が魅力的に好演していたと言えるのではないだろうか。
おまけ(舞台挨拶所感)。
トム・プライヤーは想像以上にお顔が小さくてなぜかペーテル・レバネ監督共々、半袖シャツを着ての登壇だったのだけれど、その筋肉質な二の腕が映画同様に逞しくて素敵だった。
彼の容姿はベン・ウィショー味ある小動物系の印象。
通訳の方が観客に日本語で伝えている合間の監督と主演2人のチームワークの良さが垣間見える場面がところどころであって、なんとも微笑ましかった。
またいつかこの3人で映画を撮ってほしい、と心から願う。

2024/02/10鑑賞
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