ゆっきー

ヴィオランタのゆっきーのレビュー・感想・評価

ヴィオランタ(1977年製作の映画)
4.0
遂に見ることができた伝説の映画。
スイス山村を舞台にした過去の因縁。
ヴェニスの男(ルー・カステル)が継母(ルチア・ボゼー)に手紙で呼び出され、スイス山村の故郷に戻ると異母妹(マリア・シュナイダー)と出会う。2人は惹かれ合うが、一方でルチア・ボゼーには秘めた過去があり… という話。
このヴィオランタ役ボゼーの影?分身?として我らがイングリッド・カーフェンが出演。撮影はレナート・ベルタだが、VHSレベルの画質で見たので堪能できなかったのは残念。

んで肝心の出来はと言うと紛うことなきシュミット映画という感じで、堪らない。平気で幽霊が画面に出現する。月明かりのベンチでボゼーと自分を略奪した金持ちの老人の幽霊が会話するシーンなんかは最高。(いや幽霊は喋んないけど)

ラストの生きながらじわじわ死んでいく描写、スローなダンスと画面の中で動かないまま放置されたボゼーなんかは完全『ラ・パロマ』である。
ここでボゼーの視線がカーフェンを示すのだがカーフェンはその結婚式場にはいなかったりと、この辺の繋ぎが滅茶苦茶異様でシュミット的という他は無い。

山の頂上で水溜まりのほとりでの近親相姦(実際は違うが)するシーンでは、嵐が来ると水溜まりの水面が異様な動きをしてそこに映る2人の像がぐちゃぐちゃになるのとかもめちゃ怖い。
ゆっきー

ゆっきー