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パトニー・スウォープの作品紹介

パトニー・スウォープのあらすじ

舞台は1960年代のニューヨーク。マディソン・アヴェニューの名門広告会社の創業者が突然亡くなり、会社の唯一の黒人役員(といっても楽曲担当)であるパトニー・スウォープが予想外の結果によって新社長に選出される。早速、スウォープは会社の名前を Truth&Soul に変更し、ほぼすべての白人役員を解雇、破壊的で奇抜だが悪趣味ともいえる広告キャンペーンは次々とヒット商品を生み出し、会社は新たな成功へと飛躍する中、何とスウォープは国家安全保障への脅威であるとして、アメリカ大統領ミミオの陰謀に巻き込まれることになる…

パトニー・スウォープの監督

パトニー・スウォープの出演者

原題
Putney Swope
製作年
1969年
製作国
アメリカ
上映時間
85分
ジャンル
コメディ

『パトニー・スウォープ』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

3.7
 真面目な場であるはずの会社の役員会議の現場で突然、ビールと尿についての講話が始まるこの映画は、シリアスにならなければならない現場で突然ふざけ出すようで、何やら狐につままれたような思いだ。広告会社はニューヨークを代表するような大企業で、企画会議の現場は白熱するのかと思いきや、何やら一向にスパークせず、各々がシュールなやりとりを繰り返す。そのナンセンスだがシニカルな毒気溢れるユーモアはアメリカ版の『空飛ぶモンティ・パイソン』という気もする。会社は代表取締役である社長を心臓発作で失い、互いが互いを意識し合い自重する白人至上主義社会では、棄権するよりは絶対に当選しないだろう「その他」の人々に投票が集中し、皮肉にも役員の中でただ一人黒人のパトニー・スウォープ(アーノルド・ジョンソン)が社長に選出される。突然社長に選出された男は早速、白人ばかりの役員を全員解雇し、会社名をTruth&Soulに変更するという狂った荒療治を決行する。数多いる役員の中でも最も発言権のなかったスウォープがトップに立った途端、広告業界のタブーを打ち破る革命的な事柄を次々に断行する様はひたすら痛快に映る。

 ベトナム戦争の泥沼化、ヒッピー・ムーブメントの終焉、そしてアメリカン・ニュー・シネマの誕生と今作は時代の転換点となった69年に産み落とされた究極のインディペンデント映画である。その証拠に劇中のあらゆる価値はいとも簡単にひっくり返る。初の黒人社長の誕生という皮肉めいた事件、そして小人症の大統領と黒人夫妻の面倒を見る美しい白人の家政婦などなど、体制側だった全ての価値観は反転し、マイノリティがマジョリティを駆逐する痛快さがある。ブラックスプロイテーション映画よりも数年早かった黒人主人公の物語は、資本主義社会として頂点を迎えつつあった当時のアメリカを痛烈に風刺し、広告業界にある種の声高な批評を施すのだ。劇中に繰り出された数々の実験的コマーシャルは今観てもシュールかつ素晴らしく、特に4人の女性がその場でジャンプを繰り返し、おっぱいが揺れるCMは目に焼き付いて離れない。作風としてはモンティ・パイソンのようなナンセンス・コメディにも近いし、アンディ・ウォーホルのようなモダン・アートの文脈に置かれた方がしっくり来る。ポール・トーマス・アンダーソンの偏愛映画として知られ、実際に『ブギーナイツ』でドン・チードルが演じたバック・スウォープなる人物の元ネタとしても知られる今作は、『アイアンマン』のロバート・ダウニー・ジュニアのお父さんの幻の逸品である。『WANDA/ワンダ』に引き続いて幻のインディペンデント映画が発掘されたが、アメリカン・ニュー・シネマのような作品を期待すると肩透かしを喰らうなかなかにシニカルでアヴァンギャルドな作品だ。
ワンコ

ワンコの感想・評価

5.0
【革命は可能だと信じられた最後の時代】

こうした古い映画がリマスターされてリバイバル公開されると、やっぱり、時代背景を思い返すことは、作品を理解するうえでも重要だと思う。

前の週にリバイバル公開された「ワンダ」は1970年制作で、この「パトニー・スウォープ」は一年前の1969年制作だ。

わずか一年の差で時代背景が重要なテーマだが、アプローチや中身は全く異なる作品だ。

「ワンダ」は時代の変化に翻弄される女性のメタファーで、低予算感が明らかだった。
そして、「パトニー・スウォープ」は、60年代に起こった出来事や時代の変化を、時にはアイロニーを込めて笑い、時には欺瞞として描き出している。

60年代は、政治運動が大きくうねった時代だ。50年代から続く公民権運動に加えて、女性解放運動が盛んになる。

ケネディ暗殺の翌年、公民権運動ではもともと及び腰の副大統領だったリンドン・ジョンソンが大統領職を受け継ぎ、公民権法を成立させた。
しかし、その翌年には、黒人解放運動で重要な役割を演じたマルコムXが暗殺され、68年にはキング牧師も暗殺で帰らぬ人となった。

ベトナム戦争が激化する一方で、宇宙開発競争も加速した。
あのキャビン・アテンダントを思わせる白人と黒人半々で構成される4人の女性は、航空会社の広告と言いながらも、重力の弱そうな空間でスケスケな装いで軽やかに飛び跳ね、男性のエッチな視線を惹こうとする意図が明らかで、”黒人解放は数合わせ”、”女性解放は職業ややる事を限定”して、実はこんな程度の中身なのだと、解放運動の社会の受け止めを、表面的な達成感に過ぎないと皮肉り、嘲笑って見せているのだ。

スウォープが途中から装おうミリタリー・ファッションは、キューバの革命指導者を思わせる。キューバ革命も60年代の出来事だ。
アンディ・ウォーホールのマリリン・モンローをモデルにした作品が映し出されるので、同じくウォーホールのモデルになったチェ・ゲバラかと思いきや、あの帽子は独裁者カストロのファッションだ。
キューバは社会主義革命を達成し、マルクスはリスペクトされているが、イデオロギーが優先される一方、国民は貧しいままだ。

たった1人の経営者の思惑や独断によって、この広告企業が大きく変貌するのを見せることによって、国家だって大差ないと、そして、このトゥルース・アンド・ソウル社が、社員や顧客を第一に考えなかったように、国家も国民を顧みることなど基本的にはないのだと示唆しているのだ。

更に、エンディングから考察されるのは、企業も国家も指導者は自分の懐具合しか考えていないと皮肉って締め括っているように思える。

これは、分断は良くないと言いながら、それを煽る現代社会と同じではないのか。

こうした欺瞞を見透す力を僕たちは養わなくてはならないのだ。

示唆に富んでかなり面白い作品。
ロバート・ダウニー・シニア監督(ロバート・ダウニー・ジュニアのお父さん)による風刺ドラマです。1970年代に流行するブラックスプロイテーションの先駆けとも受け取れるクールな映像が魅力です。

取締役会長が急死したため、投票で後任が選ばれることになった広告代理店。選ばれたのは唯一の黒人役員だったパトニー・スウォープ(アーノルド・ジョンソン)。トップに立ったパトニー・スウォープは社員を黒人に入れ替え、社名も「トゥルース&ソウル社」に変更してしまいます。革新的なアイデアがヒット商品を続々生み出し、アメリカ大統領からも一目置かれる存在になりますが……という話です。

非常に低予算(25万ドル)で作られた作品ですが、とてもカッコいい。コントラスト強めの白黒映像と黒人特有の会話。初期のクエンティン・タランティーノとスパイク・リーを足して二で割った感じ。内容は「もし黒人がメディアを席巻したら」というファンタジーを膨らませたもので、批判というよりは「アイデアを膨らませるのを楽しんだらこんなのができちゃいました」って感じ。結果的にそれが広告業界の風刺っぽく出来上がった。クールさが前面に来ているため、メッセージ性はあまり感じませんでした。

ポール・トーマス・アンダーソン監督作品『ブギーナイツ』(1997年)はドン・チードル演じるバック・スウォープ含めて様々なこの作品へのオマージュが含まれています。

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