'21 10/12 正式邦題登録していただきました。
イタリアのルイジ・コメンチーニ監督作品3作目。
冒頭からロング、アップの可愛いニャンコのお散歩ショットが
あたかもこの先を 暗示 したかのようなサービスショットの
連続、、
老朽化したアパートを売却したいと考える兄アメデオ
(ウーゴ・トニャッツイ)と妹のオフェリア(マリアン
ジェラ・ジェラート)。そこへ不動産会社は、[アパートの
全ての住人が立ち退く]という条件でこぅ額買収を提案。
2人はあらゆる手段で立ち退きを企てるが…。
↓
と、基本プロットはハリウッドで撮ったら普通に笑えそうだ
が、そこに猫好きには酷な【不謹慎】が加味されている。
この兄妹は、猫の飼い主でありながら、その安否より(寧ろ
ネタに)[住人立ち退き=10億リラを手に入れる]が最優先
なのだ。
基本はブラックコメディのスタンスながら、事件巻き込み、
巻き込まれ型の二転三転サスペンスでもある。
↑
そのブレンドは、ど真ん中でどちらにも片寄っていない印象。
真面目に不真面目〜という言葉がしっくり。
不謹慎とは言え、作品としてメインタイトルの猫をきっかけに
筋は一本貫いている脚本。
普通には笑える内容なのだが、イタリア故、作風は淡々とした
会話とテンポと【エンニオ・モリコーネ】の癖になるヘンテコ
なタンゴ曲も手伝い、独特のシュールさを生んでいる。
序盤から幼稚な争いをする仲が悪い(ある意味仲良し)兄妹
だが、目的(金)が絡む時は一致団結するのが可笑しい。
妹オフェリア役、マリアンジェラも中々の個性派美人だが、
社長秘書ヴァンダ役、【ダリラ・ディ・ラッツァーロ】もペネ
ロペ似の正統派セクスィ美人。
↑
そのダリラが【フェノミナ】に出ていたのは全く気付かず〜
兄妹との絡みで結果的に行動が毎回裏目に出て署長から怒鳴ら
れるトホホな警視は、良いアクセント。
怪しい2人を兄妹が追ってレストランに入り、オーダーした
ハンバーガーを巡っての【ベタで幼稚】な小競り合いは、
個人的お笑いベストシークエンス‼︎
また、
オフェリアが神父の前では【◯衝動】が抑えられないという
謎の設定も面白い。
終盤、ヴァンダからアメデオへのお別れプレゼントで一件
落着⁈⁈
兄妹を迎える淡々としたオチと、ストップモーションの締めも
良い。