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ノーカントリーのTPのレビュー・感想・評価

ノーカントリー(2007年製作の映画)
3.6
 無音場面が多く、逆にそれだからこその緊迫感がすごくて、また、高圧ボンベを持ち歩き武器としても使用するシガーを演じるハビエル・バルデムの佇まいもシルエットもインパクトが強烈で、淡々と進む物語なのだが全くだれることはない。

 一方で、シガーの行動原理が常軌を逸しており、一時代前の人間には理解の出来ない犯罪が繰り返される。
 結局、主役3人のうちトミー・リー・ジョーンズとハビエル・バルデムは全く絡むことはなく、原題「No Country for Old Men」の通り、老保安官にとっては理解不能の国になってしまったということだけが印象に残る作品。
 殺し屋シガーの行動は老保安官には理解できないし、観客にもそれを理解させることなく終わる。緊迫感はすごいがもやっとした感想が残ることと、トミー・リー同様の疎外感を感じ、それは「ボーダーライン」のほっとかれ感と似たものがある。
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