こっふん

ノーカントリーのこっふんのネタバレレビュー・内容・結末

ノーカントリー(2007年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

2024年 108本目

・いや〜不条理〜。観る度好きになる。
・死体にリアリティがあっていい。
・シガーのビジュアルの不気味さ。顔色は悪く、髪型はセンスのかけらもない。
・余計な音楽がないことで、緊張感激増、異常さも際立つ。
・シガーが保安官補を絞殺するシーンめっちゃ好き。シガーの表情、床に残る靴の跡、無理矢理手錠を外してついた傷、異常すぎる。
・車を爆発させて、その間に薬局から薬を盗む。盗んだ薬で完璧な傷の手当て。この一連のシーン好き。
・シガーとガソリンスタンドの店主、トレーラーの管理人との会話。わけ分からんしずっと怖い。緊張感やばい。
・モスが切れ者でかっこいい。通気口に隠したバッグを別の部屋から取る場面、なんかめっちゃ好き。ジョシュ・ブローリン、男臭くてシブすぎる。
・シガーの殺すという行為には度々なんの意味も、必要性もないように感じる。橋に止まっていた何の害もない鳥を撃つのも理由がなさすぎる、外してたけど。ウェルズも電話が鳴る中、変なタイミングで殺す。とりあえず殺す、動機や感情が一切読み取れない、底が知れない狂気。決して避けられない、コイントスのように誰にもコントロールできない脅威。怖すぎる。
・ベルはシガーの一連の事件をもう全く理解できず、お手上げ状態で呆れている様子。これは観ている我々と似た感覚で、この作品を理解できないのは正常だと思わせてくれた気がする。
・ちょっと自分には後半の解釈が難しく、解説に頼ってしまった。モスはギャングに殺されたと思っていたが、現場の様子からシガーがいたとはっきり分かる。関係のないプールサイドの女を殺しており、もし殺したのがギャングなら、標的のモスを殺したのに仲間の1人を置いて逃げる必要がない。
・ベルはモスの殺害現場へ戻るが、そこにはシガーが潜んでいた。この場面はベルの妄想だと思っていたが、シガーは実際にあの部屋にいた。洗面所の窓の鍵が映されることから読み取れる。怖すぎるシーン。
・シガーが交通事故で重傷を負う。この事故が本当にいい。絶対的な殺し屋であるはずのシガーも普通に負傷するのがこの映画の魅力だと思う。とにかく道理に合わない、イメージ通りに進まない、言いようのないモヤモヤ。たまらない。
・多くを語らない、映像から読み取る力がかなり必要な作品だと改めて感じた。もっと注意深く観るべきだった。悔しい。すでにもう観たい。
・終始動機、理由、意味、諸々本当に理解できない。でもまた観てしまう中毒性がある。
こっふん

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