えまろば

ノーカントリーのえまろばのネタバレレビュー・内容・結末

ノーカントリー(2007年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

原題である『No country for old man』が示すように, 語り部である老保安官は一連の事件の行方を追うも, 結局モスやシガーと絡む事はほとんどなく事件は終結する.
2人の追走劇において常に蚊帳の外で, どうすることもできずに不条理に事件が帰結していく様は, まさにただただ過ぎ去る夢のよう. それを悟ってか, 静かに引退していく老保安官であった.…ってことにしておこう


っていうか、アントンがホラー映画よりもホラー過ぎる。やっぱり対話の通用しない異常者が1番怖い。最後の方、奥さんが他の登場人物達とは異なるアプローチでアントンに接していて(ある種核心を突くような)、普通の映画だったらアントンが考えを改めるような流れになると思う。でも、多分普通に奥さんもぶっ殺してる。やっぱ異常者は異常者。倫理観の欠けた人格は不可逆的で、壊れてるもんは直せない。だから恐ろしい。絶対知り合いにいて欲しくないや。

ファーゴでも思ったけど、コーエン兄弟のサスペンスはやっぱり良い。ジワジワ惹き込まれる。


それにしても若い頃のケリーマクドナルドは最高。飛び切り美形ではないんだけど、可憐さの中にどうしようもないエロスを感じる。トレスポの濡場の時から大好き