サトタカ

ライダーズ・オブ・ジャスティスのサトタカのレビュー・感想・評価

4.9
傑作。いや本当に。
坊主髭面で男男した軍人マッツ・ミケルセンがハードなヴァイオレンスを繰り広げる痛快な復讐劇!っではなく、立派な大人の男になりきれない、肉体的にもメンタルにも不具合を抱える男たちが自己受容(自分の短所や辛い過去などをもろもろをありのまま受け入れること)できるようになるまでのホンワカストーリーでしたよ。マッツの娘ちゃん、マティルデ(アンドリア・ハイク・ガデベルク)もリアリティある多感な少女でよかったけどね。
マティルデちゃんの彼氏(イケメン青髪)はいびつな登場人物の中で珍しくマトモ。男娼の兄さんとか右手が不自由な数学者とか情不安定な巨漢とかダメンズというか弱者男性の品揃えがすばらしい。奥さんを失ったマッツさんは明らかにPTSDなのに頑なに専門家のケアを拒否。他人に傷ついた心を開いて見せることができないんだろう。助けを求められない中高年男性。間欠性爆発性障害も持っているんじゃないかな、破壊しすぎ(怖)。それで復讐の相手を見つけることで失われた何か、ダメな自分を直視する辛さを埋めようとする。自分勝手もいいところなんだけど、仕方ないんだよ。彼にはそうすることしかできないんだよ、悲惨な目に遭いすぎてきたし、馬鹿だから。運よく悪人しか殺してないみたいだし、まぁフィクションってことで間違いは大目に見てあげて。
数学者に励まされてホルンを吹くウルフ(ニコラス・ブロ)、泣かされたわ。
サトタカ

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