ハリウッドザコ

夜光 〜ある定時制高校の物語〜のハリウッドザコのネタバレレビュー・内容・結末

1.8

このレビューはネタバレを含みます

コミニケーションって難しい。

定時制高校に赴任となった日野光成先生による学園物語。
定時制高校に集まる’’多様性’’ある生徒たちとのコミュニケーションは普遍的であるものの
「定時制高校」と「コミュニティボール」のテーマ性は新鮮味ある。
今までのいじめ経験や幼少期からの経験で人との関わりが苦手な内山を日野が言葉で責めてしまった事で学校に来なくなってしまう。
彼女にとってやっとできた安らぎはそうして無くなるが、手作りのコミュニティボールによって気持ちが揺らぐ。
夜間の学校に通う多種多様な生徒(セックスに興味のあるカップルやいじめによって転校した外国人)とリアルさがある。
しかし高校に2年間通ったといえ、周りの人達とほぼ喋った事のない人間がボール一つの情で動くのはリアリティがない。
その挙句、貰ったボールを先生に渡したときには
ん?と思ってしまったが彼女にとって周りからの意志は重いものでもあり、自分自身のような生徒をこれからも先生が救ってほしいという意味で先生に託したという解釈になって安心。

日野の妻である中学女教師も実は内山を受け持っていた事があり夫婦揃って彼女に対し酷い扱いをしてしまった事、それを踏まえて反省をする流れはいいとして、
簡単に先生を辞めてしまう発言や妻が教師を辞めたことから何も日野が学んで無いこと、
真面目しすぎる性格で1人の生徒に干渉しすぎて他が疎かになっているところなど
彼の一生懸命さは良いものの悪いところしか出ていなかったのであまり好きなキャラではない。
キャラクターで言えばコミュニティボールの配役とセリフ感はかなり完璧。それぞれが適材適所という感じ。それぞれのボールの渡し方、話し方、回す順番もかなり完璧。
演技は特に内山役永瀬さんが良かった。
人との関わりが本当に苦手そうに見え、その人物としてしか見えなかった。


評価に関係ないですが、
舞台挨拶に参加させていただきスペインで賞を取れたことや撮影時の裏話(スニーカーと革靴)についてお話を聞けたので正直なところ、映画よりも裏話が面白かったかな…