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20歳のソウルのsymaxのレビュー・感想・評価

20歳のソウル(2022年製作の映画)
3.6
その応援曲には不思議な力がある…

市立船橋に通う吹奏楽部の高校生、浅野大義が作曲した応援曲"市船soul"…

一度聴いたら忘れられないその旋律は、市船の生徒達だけではなく、聴いた者全ての背中を押す神がかった応援曲…

高校を卒業後、雲の上の存在たる高橋教諭を目標に教師を目指す大義に試練が…

ウチの近くには野球場があります。
そろそろ高校野球の予選が始まり、観客の歓声と共にブラバンの応援曲が聞こえてきます。

何故か一度は聞いた事のある"市船soul"の誕生秘話と作曲した浅野大義が生きた証を詰め込んだ本作は…ハイ、ベー泣きです…

まったく…歳取るとこういう話に滅法弱く、開き直ってガッツリ泣いて、スッキリしてやろうと鑑賞。

前半は、キラキラした高校生活を描き、かつて自分にもあった"あの頃"の出来事が脳内を巡っちゃってね〜。

佐藤浩市が演じる高橋教諭の"一生に一度しかない高校生活"っとの台詞が妙に刺さる展開でした。

癌との戦いとなる後半の展開ですが、自分ではそのつもりが無くとも涙が落ちてきちゃうんです。

尾野真千子の演技が素晴らしく、それまで抑えていた感情を爆発させ号泣するシーンには、マスク替えようかというくらいにこちらも号泣…それに応える平泉成の静かな演技もまたイイのです…

死へ向かう話でありながら、悲しみよりも爽やかな印象を残すところには好感が持てます。

この歳になると、おもいっきり叫んだり、泣いたりする機会はどんどん減ってしまい、このまま孤独で偏屈なじーさんになってしまいそうだと不安になるのですが、そんな時に鑑賞するにはもってこいな一本でした…
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