MasaichiYaguchi

鬼平犯科帳 血闘のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

鬼平犯科帳 血闘(2024年製作の映画)
3.7
これまで幾度も映像化されてきた池波正太郎のベストセラー小説「鬼平犯科帳」シリーズを、十代目・松本幸四郎主演で新たに映像化する時代劇シリーズの劇場版は、鬼平こと長谷川平蔵の過去と現在を交錯させながら、夫々の時代で愛する者を救うため立ち上がる平蔵の熱き姿を描き出す。
長谷川平蔵のもとに、彼が若い頃に世話になった居酒屋の娘・おまさが現れ、密偵になりたいと申し出る。
平蔵にその願いを断られたおまさは、平蔵が芋酒屋主人と盗賊の2つの顔を持つ鷺原の九平を探していることを知り、独断で調査に乗り出す。
テレビスペシャルに続いて、若き日の鬼平・長谷川銕三郎を幸四郎さんの実子である八代目・市川染五郎さんが演じ、そのほか平蔵の妻・久栄を仙道敦子さん、密偵・おまさを中村ゆりさんが演じている。
更に劇場版ゲストとして志田未来さん、北村有起哉さん、松本穂香さん、中井貴一さん、柄本明さんが出演している。
民放の地上波から時代劇のレギュラー番組がなくなって久しい、セットやかつらなど美術の費用もかさみ、制作費は現代劇よりかかる一方、視聴者の年齢層は高く、スポンサーがつきにくいという事情が、その背景にあると思う。
だが、京都で日本の時代劇を生み出してきた職人たちと、骨太な時代劇を真正面から作り上げた映画製作会社、本物の時代劇を作って残さなければならない時期にきているように、本作を観ていると感じてしまいます。