叡福寺清子

鬼平犯科帳 血闘の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

鬼平犯科帳 血闘(2024年製作の映画)
3.8
十代目幸四郎の鬼平は何度か劇場公開されていましたが,スケジュールの都合だったりでなかなか視聴できなかった三遊亭呼延灼です.こんばんわ.

確認してみたら,キンドルのほしいものリストに原作の鬼平を登録してなくて,自分の不明を若干恥じ入ったわけですが,物語に関して今更私が云々する事もありますまい.

そして,時代劇を楽しめるようになった年齢になったかと,感慨深い三遊亭呼延灼です(二回目).

日本人は何故,高齢になると時代劇を観るようになるのか.どっかの卒業論文のテーマになりそうですが,いくつかの理由があると存じます.
まずは物語の単純さ.ほとんどの時代劇が勧善懲悪で,悪い人間が最後は処罰される.わかりやすいですね.西成をぶらついてる75歳のじーさんに『裏切りのサーカス』を観せたって理解できるとは思いませんが,鬼平や仕事人,あるいは破れ傘刀舟悪人狩りなら大丈夫な気がするでそ.物語の単純さに連なる話ですが,悪役は悪い顔してる.最後の大どんでん返しとか,じじぃには無理なんですよ.そもそも冒頭五分のお話なんて憶えてないし,途中で中座するから,キーパーソンとかイベントを見逃す可能性もございます.なので,わかりやすいの,とても大事です.あれ?なんかじじぃの悪口になってっぞ.

美しい本邦の風景.本邦の自然美には格別なものがございます.そりゃインドにも,ハイチにも美しい風景がございましょうが,領土全域にわたって水が豊富な本邦の風景には敵いますまい.そんな中を,これまた美しい所作の鬼平が歩む姿に日本人なら誰だって見惚れてしまう事でしょう.そこにじじぃが極楽浄土を見出すのも無理からぬこと.あれ?やっぱり悪口になってら.つまり私もいつあっちの世界に呼ばれたって不思議じゃないって事でしょうか.

あと,鬼平には子供が二人いた気がいたしますが,本シリーズにもちゃんと登場するのかしら.

なお,劇場マナーの悪さは若者よりも年寄りのほうが悪い模様.スマホを消音モードにするなんて,じじぃには難しいもんな.あぁ,やっぱじじぃの悪口になっちゃった.