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仕掛人・藤枝梅安のFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

仕掛人・藤枝梅安(2023年製作の映画)
3.6
 松竹でない、東映の、朝日放送(テレビ朝日)でない、時代劇ちゃんねるの「必殺」シリーズでない「仕掛人」。
 TVシリーズ『必殺 仕掛人』では、深作欣二を迎えて、緒形拳・林与一・山村聡というシンプルな三人の構成で、ハードボイルドな時代劇だった。特に『新 必殺 仕置人』が最高だった。
 あの光と影の画像と、凝った仕掛けのシーンが今回の作品でどれだけできているか、見極めてやろうと思いながら鑑賞した。
 映像もクールで、かっこいい。
 CGや加工(エフェクト)に頼ったシーンもあったが、おおむね陰影を巧く使っていた。
 何よりも、豊川悦司の藤枝梅安は、軽い明るさのあった緒形拳より静かで大柄な体躯など、渡辺謙ともまた違う。歴代の梅安というプレッシャーがある中で、よく演じた。
 錦絵(浮世絵)のような顔と佇まいの彦治郎こと、片岡愛之助の美しさとも相まって、その「あとがない」関係も、食事シーンを中心に描かれていてよかった。
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