ここにーる

大いなる旅路のここにーるのレビュー・感想・評価

大いなる旅路(1960年製作の映画)
4.0
機関士一筋の男とその家族の話。見習いの“釜焚き(石炭をくべる助手役)”時代は愚図人間だったが、脱線事故で先輩機関士を失い命拾いして心を入れ換え仕事人間、そして家庭人に生まれ変わる昭和気質の父親・夫を演じ切った三國連太郎さん、さすがである。その雪山でのSLの脱線事故のシーン、国鉄の全面協力のもとガチで脱線させたというエピソードも圧巻。妻役の風見章子さんとは『飢餓海峡』でも夫婦を演じていたか。そして父親同様機関士を目指す次男役高倉健さんはのちに『新幹線大爆破』を企てるテロ犯を演じた末に『鉄道員』に収まっていくというね(笑)。

*この映画の撮影時期に三國さんのご子息佐藤浩市さんがこの世に生を受けている。ラストのセリフ「旅はまだこれからですよ」、確かに。