MK

I ~人に生まれて~/人として生まれるのMKのレビュー・感想・評価

4.4
軽はずみな意味ではなくとても面白かった…メッセージが重くのしかかってきて、観た後の余韻が凄い。

事件性については決して比べてはいけないけど『ハン・ゴンジュ』を観た後のそれに近いかな。。

生物学的なオスとメスの生殖機能を染色体異常でいずれも有し、オトコノコとして育てられてきた青年が、医学的、遺伝子工学的に正しい処置を施されるが故の混乱、葛藤、絶望、崩壊…ネタバレになるので細かいことはさておいて。

とにかく本人の心のケアなんて誰もしてくれないどうにも切ない物語と、心が崩壊していく青年を演じるリー・リンウェイに本当に魅了された。

人としてのアイデンティティとは?
こんなご時世なので、予告編や前情報からダイバーシティ、LGBTQXに言及する社会性の強い作品かと思いきやもう少し主観的だった。

心、身体、性別

社会や文化が決めつけるもの、本人が自覚するもの、そうあるべきと他人が決めつけるもの。

そういったものの存在を否定も肯定もしない物語だったけど、そんなテーマを考えながら観ることのできるとてもいい作品だった。
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