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かげを拾うのgrpcdのレビュー・感想・評価

かげを拾う(2021年製作の映画)
4.6
『二重のまち/交代地のうたを編む』との二本立て。青野文昭という現代美術家(とそれを手伝う妻)の創作過程を捉えたドキュメンタリー。浜辺に流れ着いた漂流物や瓦礫などを拾い集めて活動をしている。飄々としておりアーティストぶったりはしない。民藝品に囲まれたアトリエは大阪の民博みたい。
序盤はただのゴミ拾いおじさんって感じだが、映画は徐々に震災へとフォーカスしていく。誰もいない海辺での回想。夕方5時を報せるチャイムは幾重にも折り重なって響く。ちょっと奇跡的すぎやしないか。
最後の展示シーン。奥さんの「無香空間10本、いや20本」にはちょっと笑ってしまったけど、その直後の真っ暗な画面に映された文章に思い切りぶん殴られた。すごいものを観てしまった。
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