青いビニール袋

Ribbonの青いビニール袋のレビュー・感想・評価

Ribbon(2021年製作の映画)
3.5
24本目

コロナ禍の2020年、卒業制作展が中止になった
美大生のいつかは、自宅に作品を持ち帰るが
何も手がつかなくなってしまう
のんが企画・編集・脚本・そして監督を務めた
コロナ禍が続く今に送る2020年の話

さまざまな色のリボンが巻き付いた状態から始まる本作
やりきれない思いとして宙に浮かんだりするリボン
CGではなく特撮(しかも樋口さんとか尾上さんが関わっている)で撮られた、美しく舞うシーンが綺麗

コロナ禍で目の前が見えなくなった人たちの再生の物語
やる気が起きない事の言い訳として我慢してんだと嘆くいつかと
それに対してブチギレる平井との対称性が良い
また途中に出てくる彼なんかは毎日の様に公園に来てるけど、
やっぱり辛いことがあったりして、
そこでいつかと出会うのだから、
それは勇気もらえたりしたんだろうか

コロナ禍における芸術の扱いについて語るところこそが、
この映画の伝えたいことだったと思う
そしてエンドロールに映されるのは、美大生の作品ではなく、
2020年に関わった勇者たちの無念が映り込む
それでも桜は咲く、日々は続いていく
落ち込んでいる暇はない 前に進むのだ