たかちゃん

ミュジコフィリアのたかちゃんのレビュー・感想・評価

ミュジコフィリア(2021年製作の映画)
4.5
さそうあきらの音楽コミックの映画化作品は、「神童」『マエストロ!』と傑作揃いだが、本作は現代音楽を扱っており、映画のためにオリジナル曲を用意(京都市立芸術大学の学生、OBらによる)、賀茂川沿いにピアノを置くなど、イメージを大切に構築している。そして映画ならではの美しい表現が、自然音や楽器の音である。映画の冒頭から様々な音が溢れてくる。そこがこれまでの映画化作品と違うところで、さらに物語も支配欲の強い異母兄、兄に隷属するバイオリニスト、天性の音感と歌唱力を持つヒロインといったキャスティングも、知名度とかアイドル系といった条件を無視して実力で抜擢、高満足度の大きな要因となった。そして大詰め、父の残した鍵に込められた秘密からミステリー要素が加わり、最後まで息を呑む展開が続く。
たかちゃん

たかちゃん