さすらいの旅人

ミュジコフィリアのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

ミュジコフィリア(2021年製作の映画)
3.5
♬松本穂香のソロボーカルが楽しめる♬
【VOD/WOWOWオンデマンド/配信視聴/シネスコサイズ】

クラッシック音楽やピアノが好きな方は楽しめるだろう。
京都の芸大を舞台に共に独自の音楽を目指す異母兄弟の確執と和解を描く映画だ。
全編に流れるクラッシック音楽や前衛的音楽がまず心地良い。また、鴨川を中心とした自然も美しく、風や川のせせらぎの音、そして花吹雪などがあり癒される。

面白かったのが、兄弟が属する大学の現代音楽研究会の活動だ。普通の音楽にはとらわれない楽器やダンスなども加えて前衛的な芸術音楽を目指している。なんか科学の実験をするような雰囲気があり、個性的なメンバーと合わせて楽しいサークルだ。あと、同じ研究会にいる弟の朔を愛する凪(松本穂香)がボーカルで活躍する。この凪のボーカルシーンが多く、多少違和感はあるが、松本穂香本人の歌なのでファンにはたまらないだろう。

この映画は一定の水準はクリアしていると思うが一点だけ残念な所がある。それは、兄弟が和解するシーンだ。死んだ父親が残したある物をきっかけに和解するのだが、難解過ぎてすんなり共感が持てなかったことだ。ネタばれになるので詳細は言えないが、誰もが納得できるものではないと思う。音楽の特別な才能があれば別だが…。

前に観た「蜂蜜と遠雷」「羊と鋼と森」などの邦画のクラッシック音楽映画は及第点のものが多い。本作も決して悪い作品ではないと思ので、クラッシック音楽の好きな方はどうぞ。