Jimmy

煙突の見える場所のJimmyのレビュー・感想・評価

煙突の見える場所(1953年製作の映画)
3.8
実際には4本の千住にある「お化け煙突」。
それが、見る場所によって、4本・3本・2本・1本に見えるから「お化け煙突」と呼ばれていた。
今は、もう存在しない。

この煙突のことを知ったのは、川本三郎さんの著書『東京ひとり歩き』という本。この本は、一昔前の東京の風景が映っている映画を紹介しながら、その場所を紹介する楽しい本。

さて、この映画、冒頭に「お化け煙突の俯瞰空撮シーン」、ラストに「お化け煙突シーン」としているが、物語自体に影響を与えているようには見られなかった。
物語は、ある夫婦(田中絹代と上原謙)とその二階の下塾人(高峰秀子と芥川比呂志)の二組の男女、そして捨て子の赤ん坊を中心に描いている。
赤ん坊の泣き声については、自分の子供が赤ん坊だったころ夜泣きが凄かったので、この映画でも赤ん坊の泣き声を延々と聞かされるのは、「勘弁してくれ」という感じだった。

この時代の日本映画には、よく競輪場面が出てくるが、当時は庶民の一般的な娯楽だったのだろうか?
『小早川家の秋』などにも競輪場面があった。

それから、この映画を観て「この頃のタイ焼きは随分と平たいのだなぁ」ということ。

そうした一般庶民生活を垣間見れる作品だった。
Jimmy

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