Miver2

全員切腹のMiver2のレビュー・感想・評価

全員切腹(2021年製作の映画)
5.0
血を撮らせたら、赤を撮らせたら世界において右に出る者はいない豊田利晃監督の真骨頂を存分に体感出来る素晴らしい作品だったな。
2021年の現在を浮き彫りにしながら、怒りと祈りと生き様が激しく響き渡るあの凄まじさがあまりにも最高過ぎた。

不穏な渦中の行く末へと歩み行くようなその姿を捉えたその画と音楽に釘付けになりながら、一つの区切りを向かえるその凄まじい描写に釘付けにならずにはいられなかったし、只々息を呑むしかなかった。

強烈な始まりを告げてやって来たオープニングロールの格好良さには盛り上がらずにはいられなかったし、時間が経つに連れて音楽の格好良さで高揚感を覚えた所もあったから最高だった。

窪塚洋介、渋川清彦、切腹ピストルズの飯田団紅の演技とその存在感をたっぷりと楽しめる素晴らしい作品だったし、豊田利晃監督作品を観る楽しさもあれば、俳優を観る楽しさもあったから、ホント最高だったなと。

物語のクライマックスでの窪塚洋介の演技と語りには釘付けにならずにはいられない凄まじさに溢れていたし、2021年の社会や権力者、あとレイシズムに対する強い怒りを爆発させなながら、怒りと祈りと生き様が物語に溢れ返るあの凄まじさがとにかく圧巻で素晴らしかった。

結末を向かえる中での強烈な描写の凄まじさがあまりにも最高過ぎたし、照井さんと達也さんとヤマジさんの「OLD SPARK」が鳴り響くあの格好良さ、痛快ぶりが深い余韻を残してくれるし、映画を通して社会と闘うその姿や志を強く深く感じられる滅茶苦茶かっこ良い映画だった。

「全員切腹」を観ていて、社会への憤りをとても身近な所で感じられるし、それは当事者だからこその強い怒りと祈りなんだよなと感じた。
そして怒りと祈りのその先で社会が少しでも変わるその瞬間に立ち会えたら良いなって強く思う。

クライマックスの窪塚洋介が語る場面は強い怒りと祈りと生き様が爆発してたけど、その中で詩的で美しく感じられる所もあったし、凄まじい熱量で語られる物語とその姿に釘付けにならずにはいられない凄さがそこにはあったもんな。

利権に塗れたクソ運動会が行われている一方で、2021年の夏を赤く染め上げる凄まじい映画の始まりに立ち会えて嬉しく思ったし、エンドロールに自分の名前を見つけるとね。
ホント凄い物を観た。
間違いなく今年を代表する映画の一つ。
文句無しに全てが素晴らしくて最高な作品でした。
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